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FUEで生え際修正を行った症例『アラブ人でドナー密度が良好な症例』

Lesson 22. FUE 1500グラフトで生え際修正を行った症例

20歳代前半、典型的な生え際修正の症例(アラブ人)です。
適正な生え際での修正例です。
FUE:1500グラフト。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):3型。
ご来院の1年半前にフィナステリドどミノキシジルを服用したが、服用するのが面倒になって半年間で止めてしまった症例です。ご年齢を考慮にいれると、脱毛進行予防のためにフィナステリドかデュタステリドの使用が推奨されるケースです。ただし、うぶ毛まで脱毛進行してしまうと、薬効は期待できませんので、生え際に対しては植毛術を行うのが最適な治療法となります。

ただし、20歳代前半というご年齢のため、生え際を下げすぎてはいけません。
万が一、生え際を下げすぎてしまうと、将来的に脱毛が進行した場合、修正治療が困難となるばかりか、下げすぎた生え際に移植された毛髪は不自然な結果のために無駄となってしまいます。

今回の場合は、私が最初に提示した推奨される安全な生え際ラインより5mmほど生え際を下げた眉間から8.2cmを生え際ラインのトップとすることになりました(この症例における将来的に安全な最下点の生え際ラインと考えられます)。

遺伝的素因:父方は3型まで、母方は6-7型までの脱毛進行型です。
ドナーの状態:後頭部のドナー密度は高く、良好なドナー状態です。
術式の選択
一般的な日本人と比較してドナー密度が非常に高く、年齢も若いため、たとえウェーブの強い頭髪であったとしてもFUEの適応者であると判断できます。
このように、ドナー条件(密度が高い)が良くて、年齢が若い(29歳以下)場合は、若年層でリスクを伴うFUSS(ストリップ採取するstrip FUT)を行うよりは、むしろFUEを推奨することになります。

【手術評価】
平均移植密度40グラフト/㎠で移植しています。
FUEの評価
FUEで最も評価すべき検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は10%でした。また、グラフト損失率は5%でした。毛包切断率としては年齢的に高いのですが、採取内容は悪くありませんでした。
採取グラフトのほぼ半数が3本の太い頭髪を含むグラフトでしたので、1回の植毛術であっても移植結果は良いであろうと判断できるからです。

【手術結果 - 術後1年目】
結果は想定通りとなっています。使用グラフトの質が良い(1グラフトあたりの本数が多い)ため、移植密度が40グラフト/㎠であっても、十分な毛量となっています。

脱毛進行予防薬の使用は術後1年目の時点では検討中とのことですが、薬剤の使用を全く行わない場合は、脱毛が進行するケースでは、通常、5~10年位経過すると移植部後方の薄くなるのをはっきり自覚すると想定されます。したがって、移植部後方が薄くなったと感じた場合は、早急に脱毛予防薬を使用することを忘れてはいけません。

術後ドナー部

【ドナーのキズ - 術後1年目】
もともとドナー部の毛穴の数が多いほど、FUEで採取された点状の無数のキズはわかりにくくなります。
また、頭髪もウェーブしているので、さらにキズが隠れるようになるため、後頭部をかなり短くカットしても他人からは気づかれにくいでしょう。

(2024年4月 K. Yamamoto記)

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