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FUEで生え際修正を行った症例『FUEで治療した生え際修正の症例』

Lesson 20. FUEの生え際修正、ミノキシジルによるfake hairとは?

20歳代後半、典型的な生え際修正の症例です!
ミノキシジルを内服すると、うぶ毛の部分も色素を持って濃くなりますが、その毛髪が伸び続けるわけではありません。
FUE:1000グラフト。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):3型。
脱毛治療薬であるデュタステリドとミノキシジルを内服しているが、M字部の薄毛が気になって植毛術目的でご来院されました。
術前写真を見ると、M字部は丸い額となっています。よく見ると、あまり伸びていない頭髪です。写真では黒く見えますが…。このような中途半端に伸びる頭髪は、ミノキシジルを使用している若年男性(特に20歳代)によく見られる現象です。中高生の時に生えていたM字部分のうぶ毛が濃くなるのです。ある意味、うれしい結果ですが、額が全体的に暗くなってしまったり、眉毛までつながりそうになるなど、また、女性の場合では多毛症という副作用として分類される場合があります。
しかし、このようなミノキシジルに反応する退化過程の毛髪は、どんどん伸びていくようなしっかりした頭髪ではありません。したがって、生え際のスタイリングでは支障が生じます。術前写真を見るとわかりますが、生え際で水平にクリップを止めることができません。
このようなミノキシジルに反応していたうぶ毛は、ミノキシジルを中止した後に本来の色素のないうぶ毛にすぐに変化してしまいます(➡ 「Part II ミノキシジルの効果とは?」をご参考ください)。
私は、このようなミノキシジルによって反応した中途半端に伸びない色素を持った(黒い)うぶ毛のことを、"fake hair(騙し毛)"と呼んでいます。
なぜ、このように呼んでいるかというと、万が一、ミノキシジルを使用しなくなったり、加齢の進行とともに脱毛進行してしまうと、目に見えない色素のないうぶ毛に簡単に戻ってしまうので、植毛術を行う場合、このような毛髪の毛量を無視してしっかりとした密度で移植しておかなければならないからなのです。なので、植毛術を行う場合は、ちょっと面倒なのです。
なぜなら、このような毛髪でも薬剤の継続使用によって、長期間黒いうぶ毛として維持されると、毛量としてプラスとなるので残しておかなければならないからです。

遺伝的素因:父方は5型、母方に7型があります。
ドナーの状態:後頭部のドナー密度は低密度であり、3本毛を持つ毛穴が非常に少ない症例です。
術式の選択
ドナー密度は低く、遺伝的素因にも大きな問題があるため、FUEを行うにあたって良い条件ではありません。
しかし、AGA脱毛の進行予防のための今後内服治療の継続を行う意思があるため、現在の年齢でFUEを行うことは許容できます。

【手術評価】
平均移植密度35グラフト/㎠で移植しています。
FUEの評価
FUEで最も評価すべき検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は11%でした。また、グラフト損失率は1%でした。

【手術結果 - 術後6か月目と術後1年目】
術後評価は術後1年目で判断しますが、薬剤を使用しているため、6か月目でほぼ完成しています。結果は想定通りとなっています。

術後ドナー部

【ドナーのキズ - 翌日、9日目、術後1年目】
他人にバレてもOKの患者さんでしたので、ドナー部も露出させたまま過ごしていたようです。
翌日では採取部位の多数の点状の穴はまだ閉じていないので、痛々しいですが、遠目に見ると認識しずらいかと思います。
9日目になると、素人目にはほぼわからない状態になっています。
1年目の状態を見ても、多数の点状のキズは非常に認識しづらいのがわかります。

(2023年6月 K. Yamamoto記)

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