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FUEの問題②:FUEをしてはいけない症例!『FUEの非適応症例とは!』

Lesson 13. FUEの大きな問題は、採取グラフトの状態が極端に悪い場合があるのです!

20歳代、FUEを行ったが、術中変更が必要となった症例!
Combo(FUE:117グラフト+FUT:905グラフト):合計1058グラフト。
アフロヘア―様のくせの強い髪質の症例。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):3型。
術前2か月前に前頭部から頭頂部までの薄毛が気になり、当院へ受診されました。
カウンセリングの結果、将来はAGAの5型までは確実に脱毛が進行していくであろうと推測されましたので、内服治療を優先の上、適切な部位への移植術を行うことになりました。
生え際は比較的高い部位をラインとし、前頭部の正中部は重要な部位なので、生え際の中心も若干密度アップを行うこととしました。

しかし、注目すべきは髪質で、重度のくせ毛なのです。
この髪質を見た時点で、FUEを行った場合は通常よりはグラフトの切断は多いであろうと予測できます。

遺伝的素因と年齢:父が6~7型ですが、他に脱毛者は確認できません。
ドナーの状態:髪質が重度なくせ毛ですので、後頭部のドナーの密度は低めです。
術式の選択
髪質の条件は良くありませんが、ご年齢は若いため、FUEを1度トライしてもよいでしょう(なぜなら、1度FUEを行ってみないと、良いか悪いかわからないためです)。
以上のような内容をご理解の上、FUEを選択されました。

【手術評価】
今回の症例では、Lesson 9で提示した症例(➡ FUEの問題をご参考ください)と比較すると、FUEを断念するまで、時間を要することはありませんでした。
1つは、手術前から採取グラフトの状態は悪いと予測していたためです。
そして、もう1つは、損失グラフトを含めた毛包切断率が30%を明らか超えると簡単に推測できたためです。
したがって、100グラフト程度の採取でストップすることとしました。
今回の場合もそうですが、当日の術式変更となると、正しい判断をしているとしても、何となく心苦しいものです!
FUEの評価
FUEでまず重要な検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は14%でした。
この数値が案外低いのではないかと騙されてはいけません。
損失されたグラフトを含めた毛包切断率自体が43%と推定されましたので、FUEをやり続けると採取した57%もの毛髪が大量に失われていくと推測できるからです。
つまり、100本の毛髪が取れても、50本以上をドブに捨てているようなのもので、非常にもったいないことなのです!

術後ドナー部

【手術結果 - 術後6ヶ月目と1年目】
術後6ヶ月目の時点で、ほぼ結果がでています。移植ラインもはっきりとわかる状態になっています。
1年経つと、移植毛もなじんでいるのがわかります。

【ドナーのキズ - 術後1年目】
下の写真は、術後1年目のドナーのキズを示しています。分け目の部分がFUTの線状のキズで、その下にまばらにFUEの点状のキズがあります。
どちらもほぼ目立たない状態であることがわかります。

くせ毛の場合は、ドナー部の密度は低いのですが、くせのためにキズは目立ちにくいという利点があります。

(2023年1月 K. Yamamoto記)

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