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FUEの問題:FUEをしてはいけない症例!『FUEの非適応症例とは!』

Lesson 9. FUEの大きな問題は、採取グラフトの状態が極端に悪い場合があるのです!

30歳代、FUEを行ったが、術中変更が必要となった症例!
Combo(FUE:479グラフト+FUT:469グラフト):合計948グラフト。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):3型。
脱毛治療薬を内服しているが、M字部の改善向はないため、M字部修正のご希望でご来院されました。
AGAは3型の典型的なM字脱毛です。
脱毛部の頭髪はうぶ毛まで退化しています。こうなってしまうと、薬剤効果はほとんど期待できませんので、植毛術が適応となります。

遺伝的素因と年齢:父が3型ですが、他の遺伝歴は不明です。
ドナーの状態:後頭部のドナーの密度は平均的より低めですが、髪質には問題ありません。
術式の選択
AGA進行リスクは低く、ドナー密度はやや低いものの、ご年齢も比較的若いため、FUEの選択は可能です。

【手術評価】
実際に手術(FUE)を開始して、グラフトを採取していく時、私の場合、かなり早い段階で、患者さんがFUEに適しているか、あるいは適していないかの判断は容易です。
しかし、難しいのは、FUEをどこで断念するのが適切なのかというのかということなのです。
この点に関しては、その都度、機会があれば詳しく解説していきたいと思います。

今回は採取グラフトがどのような状態であった場合に、私がFUEを断念しているのかという断念する基本的な基準について解説したいと思います。

以下に、私がFUEを断念してFUTに術式変更する大まかな要点を列挙します。

  • 毛包切断率が30%を超える症例の場合、FUTに術式変更する可能性が高いと判断します。
    なぜなら、切断された毛包は、発毛しないか、あるいは、うぶ毛になるため、ほぼ完全な損失になるからです。
    この場合は、30%以上の頭髪は失われたと判断されます!
    移植毛は有限なので、非常に”もったいない!!”ことです。
  • しかし、この30%以上の切断率を評価することは意外と難しいのです。
    つまり、一般的に毛包切断とされる移植グラフト内にある毛包切断率だけでは判断してはいけないのです。
  • 途中でち切れた移植できない残骸のようなグラフトもできるだけ採取して、このグラフト内の毛髪(毛包)の切断率も計算しなければなりません。

つまり、簡単に要約すると、[ グラフト内の毛包切断 ] + [ 損失グラフトの毛包切断]を合計したものが、全体の毛包(毛髪)の30%を超えた場合に術式変更を考慮すべきとしています!

そして、微妙な数値の場合は、採取グラフトの状態の良し悪しやドナーの部位による相違など種々の条件により決定しています。
同日に、術式変更することは、患者さんにとっては1日に2回植毛術を行っているようなものなので、色んな面で大変です。
FUEの評価
以上に述べてきたように、FUEでまず重要な検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は13%でした。また、損失グラフト内の切断率は21%と推定されました。したがって、FUEをやり続けると34%の割合で毛髪は失われていくと単純に推測することができます。

【手術結果 - 術後1年目】
術後評価は術後1年目で判断します。結果的にはFUTで作成されたグラフトを併用しているので、想定通りの結果となっています。

(2023年1月 K. Yamamoto記)

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