• お電話のご予約はこちら

    0120-487-425

口ひげへの植毛術『ひげの乏毛症の症例』

Lesson 4. ひげの植毛術でどうなんですか?

30歳代後半:口ひげの乏毛症(mustache hypotrichosis)の症例。
口ひげの場合は、よく動かすので術後1週間は特に注意が必要です!
FUE:300グラフト(最終グラフト数:351グラフト)。

術前術後写真

【術前】

口ひげの先天性(or後天性)乏毛症(Congenital or acquired hypotrichosis)の症例です。
ご本人の記憶では、中学生までは生えていたとのことですが、高校生になって薄いことに気づいたとのことでした。
病的な状態ではないと考えられますが、何の誘因もなく、また、顎ひげも含めて薄いため、医学的に病名を付けるとすれば、先天性乏毛症ということになります。

このような症例の場合、薬物効果はないので、外科的治療が第一選択となります。

なお、顔面に移植する場合の優先順位は不自然ではないことが第一になります。
したがって、できるだけ均等に移植する必要があります。しかし、整然と規則的に移植毛が生えていてもダメです。また、1回だけの植毛術では規則性を崩し過ぎても結果的に逆に不自然になってしまいます。

今回の場合は、薄い密度であっても太いひげが存在する顎ひげの密度に合わせるのが自然になるので、できるだけ顎ひげの感じに似せる必要があります。顎ひげの部分は通常より薄いので、おそらくは口ひげも1回の移植術で目標密度に仕上げることができると予測できます。
したがって、2回目の密度アップの植毛術はない=絶対に不自然にならないように工夫する必要があるのです。

今回の場合は、顎下にひげがあまりないので、移植毛に頭髪を使用しましたが、顎下に多くのひげがある場合は、顎ひげを移植毛として使用(Beard to Beard Hair Transplantation)する方が自然になります。

【手術評価】
移植面積は9㎠、移植密度30グラフト/㎠で移植しています。
ひげの移植毛として頭髪(Scalp hair)を用いる場合は、できるだけ太い毛髪をターゲットにします。それでもひげの太さには全くかなわないのです。
ひげの毛髪の太さは、頭髪の太さの1.5倍くらいはあるからです。
FUEの評価
FUEで最も評価すべき検査は毛包切断率とグラフト損失率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は7%でした。また、グラフト損失率は7%でした。したがって、ご年齢的には許容範囲内といえます。

【手術経過と結果 - 術後1年目まで】
術後8日目になると、もうグラフトが抜けてしまうこともない時期です。口ひげへの移植は会話や食事中にどうしても動いてしまうので、術後1週間まではグラフトがぐらつかないことが重要です。なぜなら、グラフトの生存率に影響を及ぼすからです。
非常に注意されたとのことで、写真のように1週間目の目的をクリアしているようです。抜けた移植毛もなく、グラフトの移動もほぼ確認できませんでした。8日目ではカサブタもなく、移植毛も少し伸びてきて、何となく最終結果がイメージがわかります(術後1か月前後で一度移植毛は抜けてしまいますが…)。
5.5ヶ月目と1年目の結果を見ると、再発毛して想定通りの結果になっています。

(2023年5月 K. Yamamoto記)

お電話
WEB予約
LINE予約