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三角形脱毛症(幼少時から側頭部にあるハゲ)の治療は植毛術一択です!『典型的な三角形脱毛症の症例』

Lesson 3. 三角形脱毛症に対してFUEで治療した症例

先天性三角形脱毛症は、典型的には側頭部に楕円形のハゲとして幼少期に発見されます。
皮膚自体は正常で、ハゲの部分の毛髪はうぶ毛のまま発育が止まってしまっています。
三角形脱毛症は薬剤治療に反応はないため、治療は植毛術が第一選択です!
FUE:172グラフト。

術前術後写真

【術前】
先天性三角形脱毛症(CTA:Congenital Triangular Alopecia)は、幼少期までに側頭部の片方か両方に楕円形のハゲとして気づかれることが多い疾患です。
形は円形脱毛症と酷似していますが、発見以来、特に炎症を起こしたり、どんどんハゲが大きくなったりすることもなく、幼少期から全く変わらない脱毛部なので、知っていれば診断は容易です。

治療は、薬物治療の効果は全くないので、植毛術による治療一択です。

なお、薬物効果がないので、外科的治療が第一選択となるのですが、植毛術を実施できない施設では、ハゲの部分を切除して縫合する方法を提案するかもしれません。
しかし、私の過去の経験では、切除後縫合してしまう場合、ハゲの面積は減るものの、キズは結局ある程度開いてしまい、目立ってしまいます。
このようなケースを修正するために植毛術を行った場合、キズ自体のテカテカの色合いが目立ってしまうので、1回の植毛術では満足できず、密度アップのために2回目の植毛術を行う羽目になる確率が上がるのです。したがって、最初から植毛術を行うのが無難です!

【手術評価】
平均移植密度40グラフト/㎠で移植しています。
これは、毛穴の密度だけで評価すると、周囲の側頭部の2/3程度の密度なります。
しかし、この程度の密度差の場合、移植グラフトに2本毛グラフトを主体に使用することによって肉眼的にはほぼ同じ位に見えてしまいます。
また、皮膚が正常なので、周囲の側頭部の皮膚との色合いの差がないので、どこが病変部であったのかもわからなくなります。
2枚目の拡大写真をみても大きな違いはないように見えるでしょう。また、移植毛の間には病変部にあったうぶ毛もあることがわかります。
FUEの評価
小株数の移植術なので、多少の切断や損失は微々たるもので、問題にはなりませんが、FUEで最も評価すべき検査が毛包切断率であることに変わりはありません。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は0.5%でした。また、グラフト損失率は6%でした。したがって、良好な結果でした。

【術後の移植毛の一時脱毛が心配でしかたがない】
移植した毛髪は、比較的高い密度で移植すると、術後2週目までは伸びていくように見えても、その多くは術後3週目から大部分抜けてしまいます。
そして、薬剤を使用する場合は、術後2か月目を過ぎると、最初はうぶ毛の状態でどんどん発毛し、毛が伸びるにしたがって、後頭部にあったような太い毛髪へと変化していきます。
今回のケースでも、
”移植毛は術後1か月目前後で一旦抜けてから術後2か月目過ぎから徐々に発毛してきますよ”
と説明しているのですが、実際にこのような状況に直面すると不安でしかたがないのでしょう。

ご相談の写真(上図)を見るとわかるように、非常に撮影条件の良い写真をメール添付していただいたので、掲載させていただきました。
この相談では、移植毛が抜け始めた術後3週目(あれ、移植毛が抜けてきている!)と発毛しだす手前の術後2か月目の直前のもの(まだ、生えていないんじゃないか? 待ちきれない!)です。
ご参考にしていただければよいかと思います。

術前術後写真

【手術結果 - 術後1年目】
術後評価は術後1年目で判断します。想定通りの結果となっています。分け目を作ると何となく微妙な毛穴の密度差がわかる程度です!

患者さんの術後1年目のアンケートでも、

「悩みがなくなって、うれしいです!」
「もっと早くすれば良かったと思います。」

とのことで、こちらもうれしく思います。

(2023年1月 K. Yamamoto記)

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