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後頭部を剃毛するShaved FUEとヘアスタイル-Part III-『ツーブロックにした場合』

Lesson29. Shaved FUEにおける剃毛について術後2週目の状態を見てみる

20歳代後半、男性。生え際を適正位置で移植。
Shaved FUEで1000グラフトを超える場合は、ツーブロックに剃毛するのがむしろ自然です。
FUE : 1120グラフト。

術前・術後写真

【術前】
M字脱毛が気になり、植毛術目的で当院にご来院されました。

術前カウンセリングでは、当初水平の生え際ラインを希望していましたが、実際には生え際を丸くするラインでした。
植毛術における水平ラインとは、直立姿勢にした場合に水平の断面上に作成するラインのことです。この本当の水平ラインのことを説明した後に納得され、生え際の真ん中を頂点とする水平面での生え際ラインで移植することになりました。

HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):
典型的なAGA3型です。
薬剤の使用:脱毛治療薬は使用していない。
遺伝的素因:母方祖父にAGA6型がいるが、父方を含めて他にAGA脱毛者はいない。
ドナーの状態:ドナー密度は低く、軽度にウェーブした毛髪です。
術式の選択:ドナー密度は低く、毛髪の癖もあり、条件としては良いとは言えません。しかし、血縁者に高度AGA脱毛者が少なく、20歳代と若年者ですのでFUEを選択しています。

【手術評価】
移植デザイン:上述したように、植毛術でいう水平な生え際ラインを設定しています。
FUEの評価
FUEで最も評価すべき検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は10%でした。また、グラフト損失率は4%でした。ご年齢の割には、やや悪い結果でした。したがって、万が一、AGA脱毛に気づいた場合は、早急にAGA脱毛予防薬を開始するのが適切です。

FUEで後頭部を剃毛した場合

【手術結果 - 術後6ケ月目・1年目】
移植部:術直後のみミノキシジルを使用したため、術後6ヶ月目で、生え際はほぼ完成しています。術後1年目では移植毛もなじんでおり、頭髪の太さも太い方なので、50%程度の移植密度であっても十分な毛量となっています。
この症例のように、20歳代の若年で生え際に移植術を行うケースは多い。しかし、たとえ血縁者にAGA脱毛者いない場合であっても、万が一の脱毛進行時には早期薬物治療が非常に有効であることは忘れないでいただきたいものです。

【FUEのドナー部の経過】
図の上の写真は、FUEでのグラフト採取部です。日本人はドナー密度の条件が悪い(=密度が低いという意味)ため、1000グラフト以上を採取する場合、1回の手術で後頭部の無数の点状のキズが目立たなくするために、後頭部の広い範囲から移植グラフトを採取する必要があります。
その場合、部分的に剃毛する場合は、かえって目立つために術後かつらの装着なども検討しなければならなくなってしまいます。
そのような場合は、むしろツーブロックで剃毛する方が自然なヘアスタイルになります。
なお、FUEにこだわる場合で、費用と手術時間のデメリットを考えない場合は、剃毛しないFUEや女性ではlong-hair FUEを考慮しても良いでしょう。ただし、FUEは年齢が上昇するほど、日本人ではグラフト採取が困難になっていくので、適応者はぐっと減ってきます。
図の下の写真は術後2週間目の状態ですが、素人目にはわからない状態になっています。

(2025年4月 K. Yamamoto記)

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