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後頭部を剃毛するShaved FUEでのヘアスタイル-Part I-『FUT/FUSSではドナーのキズを隠すのに苦労しませんが、通常のFUEでは考えなければなりません。』

Lesson26. 一般的なFUEでのヘアスタイルを考えてみる

20歳代前半、男性。生え際を適正位置で移植。
一般的なFUEではグラフトを採取する後頭部や側頭部のドナー部を剃毛する必要があります。
FUE、1000グラフト(最終グラフト数:1006グラフト)。

術前・術後写真

【術前】
19才の頃からM字の薄毛が気になりだし、”半永久的に生え続ける” 植毛術が良いと思って口コミを参考にして当院にご来院されました。
術前カウンセリングでは、当初M字部を丸く移植したいと考えていたようですが、子供の時のような不自然な生え際にすることは良くないことをご理解され、適正な生え際ラインで移植することとなりました。
特に20歳代の若い年齢の方ほど、生え際のM字部を丸くしたいという傾向が強いようです。しかし、実際には適正ラインで移植して、さらにM字を丸くしたいと再手術を希望される方は特殊例を除いてありません。

HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):
典型的なAGA 2型or 3型です。

なお、今回のケースでは、術前カウンセリングの時点で脱毛治療薬は使用していません。しかし、将来のAGA脱毛の進行を恐れる場合は、40才くらいの年齢までは副作用がないかぎり脱毛治療薬を使用しておく方が、AGAはストップしてしまってハゲ進行の不安解消にはかなり有効ではないかと説明しています。

薬剤の使用:術前に脱毛治療薬の使用はしていません。
遺伝的素因:父と母方に2型のAGAが存在しますが、高度AGA脱毛者はいません。
ドナーの状態:ドナーの密度はやや低い状態でした。
術式の選択:血縁に高度AGA脱毛者が存在せず、20代という若い年齢であることから、FUT/FUSSよりもFUEの選択が優先されます。

【手術評価】
移植デザイン:20才代という年齢を考慮した標準的な生え際ラインで設定しています。
FUEの評価
FUEで最も評価すべき検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は6%でした。また、グラフト損失率は8%でした。ご年齢を考慮すると、やや多い数値です。今後、AGA脱毛が高度に進行する傾向がなく、40才以下の年齢での植毛術であれば、FUEを行ってもよいでしょう。

FUEで後頭部を剃毛した場合

【手術結果 - 術後3ヶ月目・6ケ月目・1年目】
移植部:この症例では、術後からミノキシジルを含めた脱毛治療薬を開始したようです。20才代前半の若年者であるため、薬剤の初期効果によって一気に頭髪のすべてに反応しています。したがって、3ヶ月目の時点であっても移植効果がわかるくらいに生え際の毛量が増えています。
術後6ヶ月目で、すでに生え際は完成しています。

【FUEのドナー部の経過】
まず、図の上段の左の写真を見てください。
術前の状態です。採取部を部分的に剃毛しています。剃毛上部の後頭部の頭髪を伸ばすことによって、1000グラフトの採取では剃毛部をすべて覆い隠すことができます。
上段の右の写真は、術後7日目の採取部を示しています。
FUEでくり抜いた小さい穴もすべて閉じて治癒してしまっています。ヘアスタイルは部分的脱毛ではむしろ不自然だったのか、ツーブロックにしてご来院されました。ツーブロックでも剃毛上部の後頭部の頭髪を伸ばしたままにしていると、部分脱毛の状態と同様に採取部は隠れており、髪の乱れで多少採取部が見えたとしても、むしろ自然な感じです。
なお、部分的剃毛で術後一時的に部分かつらを付けると完全に剃毛部は隠せるのですが、かつらの費用とかつらを付けることによる煩わしさを考えておかなければなりません。
下段の左は6ヶ月目以降のドナー経過です。
後頭部の頭髪を十分に伸ばしていると、多数の点状のキズは完全にカモフラージュされて判別できない状態です。
下段の右は1年目目のドナー経過です。
後頭部の頭髪はやや短くしていますが、後頭部の点状のキズは全く目立ちません。

(2025年2月 K. Yamamoto記)

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