• お電話のご予約はこちら

    0120-487-425

女性型AGA(FAGA)に対する植毛術『女性型AGAではFUTを選択する場合が多い』

Lesson 1. 女性型AGA(FAGA)に対する植毛術

40歳代後半、女性型AGAの症例です!
女性型AGAは生え際の部分を残して頭頂部から脱毛する形態を示します。
FUT:1200グラフト(最終グラフト:1335グラフト)。

術前術後写真

【術前】
Ludwig分類:I型。Ludwig分類は頭頂部から脱毛する女性に対して最も頻用されている分類です。IからIII型があり、この症例では、最も初期のGrade Iに分類されます。
二人目のお子さんを出産した後から髪の毛の量が減り、今回、薄毛を気にされて植毛術をご検討されました。
女性型AGA(FAGA)の場合は、男性型AGA(MAGA)と全く違います。
男性AGAの場合、薄毛と気づいてから無毛の状態になるまで10~20年程度と短期間で無毛となってしまうが、植毛術を行うにあたって100%の毛量や密度を望むことは少ない。
一方、女性の場合、完全な無毛状態までほとんどのケースでならないのですが、頭頂部全体という広い面積に渡って薄毛が広がっていることが多く、植毛術を行うにあたって毛量や密度に対すても100%程度までを想像していることが多いため、望みを叶えるために多量の移植毛が実際には必要なのです。なので、手術回数も1回で満足するようなものではありません。
したがって、Ludwig I型という最も初期のランクにもかかわらず、治療が難しいのです。
今回の症例では、ドナーの密度も少ないため、移植毛の損失がほとんどなく剃毛の必要がないFUTを選択し、術後も毛髪の老化予防のために脱毛治療薬を継続するのがベストと説明しました。また、植毛術では、①最も効果的に結果を出すためと、②ショックロスをカモフラージュするために分け目を中心に移植することを提案しています。

遺伝的素因:父方、母方ともに、女性型AGAの遺伝歴はありません。
ドナーの状態:後頭部のドナー密度は低密度であり、3本毛を持つ毛穴が非常に少なく細い毛髪が比較的多い症例です。
術式の選択:ドナーの条件も悪いので、FUTが適切です。FUEの選択は、今後のことを考慮すると非適応(禁忌)です。

【手術評価】
真ん中からやや右側の分け目を中心として、写真で見られる部分(術日:移植範囲)に移植密度20~25グラフト/㎠で移植しています。

【手術結果 - 術後1年目】
術後評価は術後1年目で判断します。
1年目の結果を見ると、実際に毛量が80%以上に達していないので、私が見ても効果はわかりにくいわけです。患者さん自身だけでなく、私も術前の状態は意外と忘れているのです…。
そのため、術前写真と比較する必要があるのです。
術日の移植範囲と照らし合わせると、やや右側にある分け目を中心にその部分の薄毛をわかりにくくするため、ダンベル形に移植しているのがわかります。
真ん中で分け目を作った分け目の右側の青矢印部分()を見ると、特に右側の濃さが生え際の部分にかなり近づいていることがわかります。
次に、つむじ上部を見ると、緑矢印()のように分け目の密度が上がっていることがわかります。
そして、赤矢印()を見ると、術前は髪の毛がぺちゃんと平べったかったのが、立体的に盛り上がっています。つまり、毛量が増加していることがわかります。

しかし、自然な移植であるからこそ、効果がわかりにくいのです。
患者さんも「薄毛はまだ解消されていない。」とのご回答です。
このように、女性型AGAは望みが高いが故に、治療は難しいのです。完全に望みを叶えるためには、再手術の必要性や将来の脱毛予防の必要性が欠かせません。なので、患者さんにとって思ったより負担になるかもしれないのです。

術後ドナー部

【ドナーのキズ - 術後6ヶ月目と術後1年目】
6ヶ月目では、線状のキズに若干の赤みが残っています。しかし、キズからほぼ均一に頭髪が発毛しているので、線状のキズと認識できません。
1年目の状態では、赤みもなくなり、線状のキズはさらにわかりにくく治癒しています。

植毛術のことは家族を含めて誰にも秘密にしているようですが、後頭部のキズがわからなくなれば、誰にもバレることはないのです。
したがって、”後頭部のキズをわかりにくくカモフラージュする”ことは意外と最重要なのです。

(2023年6月 K. Yamamoto記)

お電話
WEB予約
LINE予約