• お電話のご予約はこちら

    0120-487-425

FUEで前頭部修正を行った症例『ドナー部の剃毛について』

Lesson 14. 1400グラフトで後頭部はどのくらい剃毛するのですか?

40歳代後半、FUEでの前頭部修正の症例です!
1400グラフトのFUEでは、周囲の頭髪をロングヘアにしないとドナー部を隠すことが困難になります。
通常、40歳以上でのFUEの選択は脱毛進行がないことが前提条件となります。
FUE:1400グラフト。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):3~4型。
脱毛予防薬は内服していますが、これ以上の改善を認めないため、植毛術をご検討されたようです。M字部と頭頂部が気になっているということでした。

術前の状態では、生え際領域は完全にうぶ毛化していました。このような状態まで頭髪が退化すると、薬剤治療の効果は全くありません。一方、頭頂部に関しては年齢的には薄くなっているようですが、AGAで進行した状態ではありません。したがって、ある程度のご年齢まで、頭頂部は脱毛予防薬で予防し、生え際を含めた前頭部のみに移植するという提案となりました。

術式選択に関しては、短髪を好むということで、FUEをご希望されました。この点に関しては、ご年齢的にはグラフト(毛髪)の損失が増えるかもしれないということをご理解の上で、FUEを選択されました。

遺伝的素因:父は2型、母方に4-7型があります。ただし、ご年齢的に重度AGAに急速に進行するということは否定できます。
ドナーの状態:後頭部のドナー密度は若干低密度です。
術式の選択:ドナー密度は低いのはデメリットですが、年齢的なFUEの問題点をご理解の上でFUEを選択されました。
どの程度の状態になるかは、実際にFUEを行ってみないとわからないのです。40歳以上では、通常、20%以上の毛髪の損失があるという前提の下でFUEを行うことになります。

【手術評価】
平均移植密度40グラフト/㎠で移植しています。
FUEの評価
FUEで最も評価すべき検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は9%でした。また、グラフト損失率は12%でした。幸い、毛包切断率は年齢的に許容範囲内でしたが、現時点でのFUEで21%の太い毛髪が損失することを意味しています。

【手術結果 - 術後6か月目と術後1年目】
右側にある大きなほくろが生え際ラインの目印となっています。結果は想定通りとなっています。

術後ドナー部

【ドナーのキズ - 術前、術後11日目、6か月目と1年目】
通常、FUEで1500グラフト程度の採取となると、ドナー密度の低い日本人では、剃毛範囲が広くなり、周囲の頭髪で隠そうとすればロングヘアになってしまいます。
したがって、違和感の少ないツーブロックにするのが普通です。

術後1週間で点状のキズはすべて塞がって気にならなくなりますが、キズの赤みと広範囲の採取による知覚異常は回復するのに最低半年程度はかかります(ただし、気にする人は少ないですが…)。かなり刈り上げた1年目の後頭部を見ると、多数の点状瘢痕のために点状に透けた状態であるのがわかります。しかし、この程度であれば、他人は気づかないと思われます。このような見え方は、ドナー密度が低い人ほど顕著になってきます。

(2023年9月 K. Yamamoto記)

お電話
WEB予約
LINE予約