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参考症例集・ドナー密度が低いためにFUTを選択『若年者でドナー密度が低い場合の術式選択は?』

Lesson 9. ドナー密度が低い場合ではFUEの選択はダメなのか?

20歳前半、生まれつき額が高く、さらに生え際が後退した症例。
年齢的にはFUEでも可能ですが、最終的にグラフト損失を避けるためにFUTを選択。
FUT:1300グラフト(最終グラフト:1711グラフト)。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):3a型。
生まれつき額が広く、最近はM字を中心に生え際が後退してきたために、当院に受診されました。

今回のように、20代前半の若年者では、今後、AGA脱毛が後方へどの程度進行していくかは、わからないので、例えば、40歳代の場合よりは将来の脱毛進行に対して慎重に考慮する必要があります。

脱毛進行範囲や速度が不明な場合は、薬剤使用は少なくとも40歳代までは基本的に継続することが必須となります。

移植術を行う場合でも、特に若年者であるほど、生え際ラインは極端に下げないようなデザインにとどめる必要があります。
これは、植毛回数を増やさないためと、将来に使用できる移植グラフトを無駄に使用しないためです。

また、植毛術の術式に関しても将来を想定した計画をより厳密に考慮しておく必要があります。
今回の場合、年齢的にはFUEをトライしてもよいのですが、年齢の割にドナー密度がかなり低い症例です。
したがって、患者さんは十分に悩んだあとに、最終的にグラフト損失がほぼないFUTを選択されています。

遺伝的素因と年齢:父方、母方ともに3~4型の脱毛者がいます。4型まででAGAがストップするのであれば、薬剤使用せず、植毛術だけで治療していくことも理論的に可能です。しかし、完全な無毛の4型に進行し、密度に対する高い望みがある場合で平均80%程度の毛量がほしい場合、トータルで4500~5000グラフトの移植が理論的に必要となります。そうすると、あと2回位は植毛術を行う必要があるので、やっぱり、薬剤を併用するのがよいのではないでしょうか?
ドナーの状態:ドナー密度は低い症例です。
術式の選択:上記の如く、非常に悩んだあとにグラフト損失の非常に少ないFUTを選択しています。

【手術評価】
移植面積は34㎠、移植密度35~40グラフト/㎠で移植術を行っています。

【手術結果 - 術後6か月目と術後1年目】
術後6か月目でほぼ結果が出ています。
術後1年目で完成です。

術後ドナー部

【ドナー部 - 術後1年目】
2つ目の写真は、術後1年目のドナー部(線状のキズ)です。
患者さん自体は、後ろのドナー部は相当に目立つ状態でなければ気にすることはありません。どちらかというと、やっぱり、脱毛部や薄毛、生え際や分け目などの方を気にするものです。

しかし、私的には、移植部よりドナー部を重視しています。
なぜなら、移植部は移植した量だけ単純に増加するだけで術後ケアに問題がなければ、どのような結果になるかは簡単に想定できるからです。
一方、ドナー部のキズが簡単にわかってしまうと、他人にもバレてしまうからです。誰にも気づかれないなら、植毛術を行ったこともバレず、さらに、手術を受けた本人も手術したことすら忘れていまうからなのです。

しかし、今回のような若年者では、FUTにおける線状のキズに関して、かなり注意しなければなりません。年配者と比較すると、キズの術後ケアが非常に重要になるからです(写真を参考にしてください)。

(2023年3月 K. Yamamoto記)

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