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参考症例集・典型的はAGA4a型の症例『FUTで前頭部全体に移植』

Lesson 8. 典型的なAGA4a型の症例

60歳後半、前頭部全体が脱毛した典型的なAGA4a型の症例。
年齢的にもFUTで行うのがベストです。
FUT:1300グラフト。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):4a型。
典型的なAGAの4a型の症例です。前頭部全体が無毛から重度の薄毛となっています。

ご年齢的には、重度のAGA脱毛へとどんどん進行していくリスクは少ないので、植毛術を行うにあたって、将来の脱毛進行をそれほど恐れる必要がなく、安心して手術を行うことができます。

また、薬剤治療に関しても、積極的に使用する必要がなく、万が一、脱毛が進行してしまったり、植毛術を行って効果が実感できたために、かえって望みがアップしてしまったとしても、再度植毛術を行えば問題ないのではないかと思われます。

遺伝的素因と年齢:父方は3~6型の脱毛者がいますが、母方は確認できません。
ドナーの状態:ドナー密度は低く、細い頭髪が多いです。
術式の選択
年齢的には、後頭部のドナーの質が相当良くなければ、通常、FUEは勧められません。
ドナー密度も低く、若い頃よりも細い頭髪に変化しており、さらに、少しウェーブのかかった頭髪ですので、FUEは全く勧められません。
このような説明をご理解いただき、すんなりとFUTを選択されています。

術後ドナー部

【手術評価】
移植面積は40㎠、移植密度35グラフト/㎠で移植術を行っています。
【手術結果 - 術後8か月目と術後1年目】
術後8か月目でほぼ結果が出ています。
術後1年目で移植毛もかなりなじんできています。

【ドナー部 - 術後8か月目と術後1年目】
術後8か月目では、少し赤みが見られますが、術後1年目では、ほぼ赤みは消失しています。キズは白い瘢痕になり、ほぼ線状に形成されていますが、比較的拡大している写真で見てもわかりにくい状態で治癒しています。

FUTにおける線状のキズに関しては、年配者ほど通常有利になります。年配者ほど相当術後のケアが悪くない限り、線状のキズが他人が見て気づかれるレベルに広がって治癒してしまうことはないのです。

(2023年3月 K. Yamamoto記)

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