• お電話のご予約はこちら

    0120-487-425

参考症例集・前頭部への移植(白人の症例)『FUEで前頭部全体に移植』

Lesson 7. 前頭部への移植(短髪を好む白人の症例)

40歳代、白人男性。短髪を好むため、FUEを選択。
薬剤治療を行ってくれるか不明なので、高い生え際ラインでの移植術となりました。
FUE、1100グラフト。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):将来的に5~6型まで脱毛進行する症例です。
術前写真をもてわかるように短髪を好む症例です。
患者さんご本人はカウンセリング時に生え際を下げた前頭部全体への移植をご希望されてご来院されました。
また、薬剤は使用したくないというのがご本人の意見でした。

しかし、ちょっと待ってください!後頭部の状態を見ると、おそらくは将来的に遅かれ早かれAGA5~6型の状態(重度AGA)へと進んでいくものと想定されます。

植毛術を行うにあたって、もし薬剤治療を行わなかった場合は、前方から後方へ向ってどんどん髪の毛が薄くなっていってしまうので、植毛術を行うにしても、不自然に移植毛が取り残されないデザインで移植しておかなければなりません。
したがって、生え際を下げるのはあまり適切ではないのです。

このように、説明したところ、パートナー(妻)の意見が尊重され、最初に出会った頃の生え際でよいという結果に落ち着きました。

また、術式選択の問題もありました。
ご本人さんは、短髪を好むので、線状のキズになる可能性があるFUTは少々選択しづらいことです。
なぜなら、現在の私の技術では高確率でわからないキズになるのですが、100%絶対にわからなくなるという保証はないためです。

一方、FUEを選択した場合は、キズといっても点状のキズですので、複数回はダメですが、1回くらいの手術で目立つことはないと予想できます。

遺伝的素因と年齢:父方に7型までの方がありますが、他は2-3型です。
ドナーの状態:白人の中では後頭部のドナーの密度が低い方です。短髪でわかりにくですが、頭髪は中等度のウェーブであるようです。
術式の選択
白人の中ではドナー密度が低いのですが、日本人と比較すると平均的です。
年齢も40歳以上ですので、比較的後頭部の毛密度の高い白人の方であってもFUEはあまり勧めませんが、上記の理由で今回はFUEで植毛術を行うことになりました。
【手術評価】
移植面積は35㎠、移植密度30~35グラフト/㎠で移植術を行っています。
FUEの評価
FUEで最も評価すべき検査は、毛包切断率です。この例では、毛包切断率(➡ Step3『Proの植毛術』をご参考ください。)は18%でした。また、グラフト損失率は10%でした。
この結果を考えると、次回に植毛術を行う場合は、FUTがよいという結果になりました。
このように、人種にかかわらず年齢の上昇によって、切断率や損失率は上昇していきますので、40歳以上でFUEをご検討される場合は十分に理解しておく必要があるでしょう。

術後ドナー部

【手術結果 - 術後9か月目と術後1年目】
術後9か月目でほぼ結果が出ています。生え際ラインはほとんど下げていないので、前頭部が密度アップした状態(35%程度)です。
術前は薬剤はしないとおっしゃっていましたが、AGA脱毛の進行予防のため、当面続けていただけそうです。

【ドナー部 - 術後1年目】
術後1年目のドナー部の写真では、小さい点状のキズは存在しますが、1回くらいのFUEではほぼ認識できないレベルです。

(2023年3月 K. Yamamoto記)

お電話
WEB予約
LINE予約