• お電話のご予約はこちら

    0120-487-425

Part Ⅲ 浮気心で他院で植毛術、4回目の植毛術を当院で!『不思議なほど、重度なショックロス!』

Lesson3-3. 3回目の植毛術FUEを他院で行い、重度のショックロスを経験

4回目の植毛術は、若干生え際を整えました。
FUT、500グラフト(最終グラフト数:512グラフト)。
他院での3回目の植毛術(FUE)で重度のショックロスを経験し、不安のためメール相談を受けました。
薬剤の継続使用は重要です。初回手術から約10年経ってもAGAの脱毛進行はありません。

術前・術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):元々は前頭部が完全に脱毛した4a型。
薬剤の継続使用により初回手術から約10年経ってもAGA脱毛の進行はみられません。このような症例を見ても、薬剤の継続使用の重要性が再確認できます。

さて、今回の4回目の植毛術を行う前に、メール相談を受けました。
”他院で植毛術を行ったのですが、術後に酷い脱毛に見舞われた”との内容でした。
”大したことはないだろう!”という気軽な気持ちで拝見したところ、ビックリです。
写真を見ると、私も経験したことのないような重度のショックロスです。特に、薬剤を併用している場合、なかなか考えにくい状態でした。原因については、植毛術の手技に1つの原因があるのは明らかです。しかし、詳細は執刀医に尋ねるしかありません。
なので、”何か原因がわかるかもしれないので、手術したクリニックに聞いてください”という旨の連絡をしました。しかし、原因はよくわからないとのことでした。

なお、ショックロスがあったとしても、元々ある頭髪にダメージがなければ時間さえ待てば回復します。
今回の場合、ショックロスのある範囲が移植範囲ですので、写真の赤枠の範囲が移植範囲です。グラフト数は500グラフトのFUEを行ったということなので、非常に広範囲に低い密度で移植されたことがわかります。
診察すると、発毛後は少なくとも術前の状態まで回復していましたので、元々ある毛髪自体へのダメージは少なかったと推測できます。このことに関しては、ホッと一息ですが、広範囲に低密度の移植をしたためか、毛量が増えたかどうかはよくわかりません。これは、患者さん本人だけでなく、私もわかりませんでした。

ここで手術によって、なぜショックロスが起こるのか推測してみましょう!
ショックロスとは、元々の毛髪が存在する場所にダメージを与えた場合、移植毛だけではなく、近くにある元々の毛髪も一時的な血流障害などによって抜けてしまうことをいいます。元々の毛髪にダメージさえなければ、元々の毛髪は本来の状態に戻り、移植毛もさらに発毛するので、結果的に毛量は増えるのです。このように、あくまで、一時的な脱毛なのです。ただし、患者さんにとっては、”せっかく移植したのに、元々より薄くなってしまった!”と、一時的ではありますが、非常にショックを受けるです。また、元に戻るのにも通常より時間がかかってしまいます。

以下に、手術操作によるショックロスの原因を列挙します。これらの原因が複合することによって、重度のショックロスになるリスクが高まります。

    【手術操作によるショックロスの原因】

  • 元の毛髪の毛穴や毛髪の角度を無視して移植部位(切れ目)を作ってしまった。
  • 通常より大きな切れ目で移植部位を作ってしまった。
  • 移植範囲の血流が下がってしまうほど、過度な移植密度で切れ目を作ってしまった。
  • 移植範囲に過度な量の麻酔薬を頻繁に使用してしまった。
  • 上記の理由に加えて、術直後に過度の飲酒をしたり、何等かの病気にかかってしまった。

薬剤の使用:AGA脱毛進行予防に対する薬剤を使用しています。
遺伝的素因:父方と母方共にタイプ5~7型まで進行しています。
ドナーの状態
ドナー部は、他院での3回目の植毛術でFUEを行ったため、無数の小さな円形のキズが見られました。今回は、再度FUTを選択したため、比較的キズの少ない場所を選んでドナーを採取しました。
ドナーの経過については、次のレッスンで詳しく見ていきます。
術式の選択
以前から患者さんにはFUEを行うと、広い範囲でドナーがボロボロになるので、何回も手術をする可能性のある方は将来のことを考えてFUTを選択してください。ただし、きちんとしたFUTは難易度が非常に高いので適切なクリニックを選んでください、と述べていたのですが…。
ただし、今回は、他院でFUEを行ってショックロスという苦い経験もしてしまったので、当院の方法でのグラフト損失が全くないFUT(FUSS)の術式を迷いなく選択しています。


4回目の植毛術の術前術後写真

【手術結果 - 4回目植毛術の1年後】
生え際の改善:4回目の植毛術では、生え際のラインを5mm程度下げています。これで、生え際のラインも低すぎでもなく、高すぎでもない適正なラインになりました。

【総評】
4回の植毛術(当院でFUT3回、他院でFUE1回)を振り返って
治療期間の約10年の間、メソセラピーによる副作用や重度な術後ショックロスを経験したにもかかわらず、ご本人の脱毛に向き合う揺るがない意思があるからこそ、達成された結果です。
特に、重度な術後ショックロスを経験してしまうと、通常であれば、もう二度と植毛術にチャレンジしようとは思わないのではないでしょうか?
紆余曲折あっても、植毛術を根気よく行い、AGA脱毛の予防に対しても忍耐強く取り組む姿勢には関心させられます。

いつまで経っても、患者さんから学ぶことは多いものです。

最後に、術後1年目検診時の患者さんのアンケートを紹介したいと思います。
Q:自毛手術を受けて、満足されていますか?
➡ 「満足しています。もう少し早くすれば良かったと後悔しています。」
Q:自身で手術を受けて、誰かに勧めたいと思いますか?
➡ 「自分みたいに薄毛が進行している人には良いと思います(確実に効果が出ると思います)。

(2022年9月 K. Yamamoto記)(2022年10月 追記)

お電話
WEB予約
LINE予約