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参考症例集・前頭部への植毛術『前頭部に植毛術を行った症例の解説』

Lesson 1. 重要な移植部位であるFrontal Tuft(前頭部正中領域)

70歳代後半、男性。前頭部(Frontal tuft主体)への移植。
FUT、500グラフト。
術後は薬剤治療を一切行わない症例。

術前・術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):6型。MAGAの脱毛の中でも重度のタイプである6型まで進行しています。ヘアスタイルは左側頭部から横向きに流す”バーコードハゲ”の状態です。この状態になると、自毛のみでは前頭部とつむじ部の両方を覆い隠すことが難しくなります。
薬剤の使用:前頭部はすでに無毛部に達しています。このご年齢での無毛部の場所には薬剤の効果はありません。また、他のお薬も数種服用されていますので、ご本人も当然、余分な薬剤を服用することを検討していません。
遺伝的素因:母方のタイプは6型まで進行しています。
ドナーの状態:ドナーの状態は良好です(図参考)。ご年齢の割に、毛髪も太く移植する条件は良いことがわかります。このような太い毛髪の場合は比較的低密度に移植したとしても毛量自体は得やすいことが予想できます。
術式の選択:ご年齢的にも、初回にFUEを行うのは全く不向きです。したがって、当院の方法でのグラフト損失が全くないFUT(FUSS)の術式を選択しています。

術直後写真

【手術評価】
移植部:移植する部位は、少ないグラフト数で最も効果的な結果となるFrontal Tuft Area(前頭部の真ん中、図の赤丸)を意識した植毛術を行っています。この部分に移植することによって、顔のフレームを作ることができるので、顔貌の形を若返らせることができます。このことについては、漫才師のブラックマヨネーズの小杉さんの生え際の真ん中に頭髪が残っている(2022年現在)のを見てもらうとわかりやすいと思います。無くなってしまうと顔貌が全く変わってしまうのが想像できるでしょう。また、この顔のフレームを形成する利点以外に、frontal tuftが出来上がることによって、バーコードハゲで使用していた左側頭部の頭髪をつむじ部を隠すために使用できるようになることです。術後写真で見るように、術前写真と比較して何もしていないにもかかわらず、つむじ部も濃くなったように見せかけることができているのがわかるでしょう。
手術は、平均移植密度20グラフト/㎠で移植しています(最終グラフト数は、540グラフトでした)。また、グラフト作成では、無毛部への移植のため、毛包組織の周囲組織が十分に覆われたグラフトを作成して移植しています。このようなグラフトは”Chubby graft(太っちょなグラフト)”と呼ばれていて、生存率も最も高く、毛髪の損失も最も少ないグラフトになります。
ドナー部:グラフトを採取するドナー部は、最も頭髪が太く、グラフト当たりの本数が多い後頭部領域から採取しています。

【手術結果 - 術後8ケ月目】
移植部:術後8ケ月目で、ほぼ結果がわかる程度に達しています。低密度移植ではあるが、低密度のため幸いに一時脱毛が少なく、そのまま伸びる毛髪が多かったようです。
術後写真を見ると、頭頂部の薄毛の場所よりも移植した無毛部領域の方がずっと濃くなっていることがわかります。毛穴間隔は荒いですが(写真ではわかりにくい)、外観上(写真で見ても)では自然さが保たれています。ご年齢の割に太い毛髪が使用できているので、非常に濃く見える結果となっています。少ないグラフトにもかかわらず、かなり効果的な植毛術であったことがわかるでしょう。
また、バーコードハゲに使用していた側頭部の頭髪も前頭部を隠すために使う必要がないので、つむじ部に使用することができるようになっています。注:8か月目の術後写真の左から2番目のように、ヘアスタイルによって外観上、必要以上に頭髪が増えたように見せかけることができますが、Before & Afterでは必ずAの写真のように分け目を作って正確な評価ができる写真で比べる必要があります。このような例でもわかるように、術後写真の左から2番目の写真だけを提示して外観上良く見せかけるような写真をSNSで多々見かけます。注意して見てみてください。したがって、伸ばした頭髪で隠しているような写真ではちょっとだけ考えてみてください。術前がスキンヘッドで、術後に頭髪を伸ばすというケースでも、同様の効果で頭髪はかなり増えたように見えます。
ドナー部:ドナー部は線状のキズとして縫合されていますが、最新の技術により、4か月目の時点で、わからないキズとなっています。

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